あいち2022(愛知トリエンナーレ)に招致されたシアスター・ゲイツが行うパフォーミングアートやインスタレーションの為に古民家を再生しています。再生はシアスター・ゲイツとのコラボレーションが実現し計画を進めていきました。
建物は常滑駅より近くにある旧丸利陶管工場敷地内にある住宅を改装して展示場としています。やきもの散歩道の入り口で西側の駅前や海側を見渡せる小高い丘の上に位置しています。しばらく利用されていなかった家屋です。彼の作品であるネオンサインとレコードやDJカウンタ―の配置。そしてダンスパフォーミングの場やインスタレーションをする空間として利用をします。今回の実験的なシアスター・ゲイツの試みは、日本人とブラックアメリカンのアイデンティティを融合させ、文化的混成の可能性を探るものです。その考えにインスパイアされ、改修される内部の展示空間を相互に繋ぎ合わせるとともに、外部環境をどのように挿入させるかを建築的テーマとしました。
客席や客溜まりとしての土間を広く取り、そこを中心に外部からの環境挿入や2階への空間や光の取り込みとしてボイド空間を混在させています。ネオンサインと外部からの採光が対象的でうまく相互に奏で合う関係となっています。そして、パフォーミングアートを行うステージが一体的に空間を包み込み、また相互に共鳴し合う、ソウルミュージックのような空間を創り出しました。西洋的な凹凸が明快な空間ではなく、周縁部のマージナルな領域がハーモニーを奏でる重要な部分と考えました。その為、耐震性能を必要とする箇所がマージナルな部分に展開できるよう、柱梁への金物の他、レコードシェルフに兼用をさせた耐震壁でその役目を持たせるようにしています。
今後、シアスター・ゲイツが展開するパフォーミングアートまた、地域とのコラボレーションがどのような空間に変化をさせ、また融合するのかを期待させます。
https://youtu.be/eEHJmK1ozA8?si=d59MA97CUIlruEvu
Installation copyright by Theaster Gates
All Photos by Mitsuru Narihara

