和泉市青少年の家屋外炊飯場
 和泉青少年の家付属棟として計画された140㎡の木造平屋建ての建物である。旧施設は本体建物の裏側(山側)に炊事場と食事場とに分けて配置されていたが、建て替えを機会に正面側のアプローチ広場に面する位置に計画された。本体建物と本計画のアプローチの機能動線を明確にするため食事場と炊事場を一体的に整備することにし、ゆとりのあるスペースを残すことに工夫をしている。また、必要面積に応じた4.55mグリッドのコンパクトなサイズで計画を行い本体建物となるべ近い位置に配置をさせた。
 野外活動の炊事場での調理は子ども達にとっての醍醐味の一つであり創る行為と自然の豊かさを満喫できる瞬間である。その為炊事場を活動の中心として、建物を3つのエリアに分けたセンター部分に配置をさせた。釜場と炊事場を近接させ使い勝手と周辺の誰もが目の行き届きやすい場所で子どもの安全確保にも配慮させている。食事場所は二分されたエリアで計画をした為、別グループでの同時利用や同グループの班単位でのまとまりがしやすく利用者の使い勝手に応じた配置計画となっている。
 炊事場のある中心の場所は棟の高さを一段上げ、釜場からの排煙機能を持たせるようにしており外観上建物のランドマークとなるよう構成している。また、この一段上がった棟から前面アプローチ部分へ番傘のように裾を広げる垂木を連続させ、印象深い庇を構成させている。
 地場木産材を利用した現しの木構造の採用の他、天井や壁の仕上げに木材を活用し、木の豊かさを表現するとともに森林の維持保全の和泉市の取り組みを積極的にPRさせている。

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